紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所
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 2011年、新年のご挨拶


  会員の皆様、読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い致します。

 最近は、世界経済の動向が、わが国の雇用や地域経済に直に影響する時代になってきました。
「生物」は生息環境が変化する中で、環境に適応し進化することによって生存を続けてきました。日本社会という「生きもの」も世界経済の動向という環境変化を的確に予測し、適応するための対策を迅速に打ち出し、確実に実行していかなければ、様々な困難に直面することになるでしょう。

 輸出企業の国際競争力の低下、企業の海外移転による国内産業の空洞化、一次産業の不振による農山漁村地域の高齢化と過疎化、大学・高校卒業者の就職難や非正規労働者の増大、少子化など、世界経済の動向と直接的間接的に関係する諸現象に対して、的確かつ抜本的な対策が打ち出されてこなかったことが、将来に明るい見通しを持てない原因となっています。

 英知を集めて将来ビジョンを打ち出し、困難にめげずに国民に訴え、コンセンサスを得ながら世界的な環境変化に対応し、国内の雇用、産業、地域社会を維持発展させていこうという熱い情熱を持った前向きの政治が求められています。また、人的資源を最高の資源とする日本にとって、世界レベルの技術力を維持発展させること、低コスト化のための環境を整えること、スピーディーに有効なビジネス戦略を構築していくこと、個性的で郷土愛を持ち国際的にも活躍できる人材教育を進めることで、競争力のある企業を日本に存立させ、そこで世界を舞台に活躍する人材を多数雇用することによって、雇用の確保を図っていくことができるのではないでしょうか。 

 目を足元に転じると、私たち団塊の世代は60歳台半ばに入りつつありますが、その持てる能力を国内で十分に生かしきれない状況にあります。作家の堺屋太一氏は、高齢者が可能な限り元気に働き続け税金を納めることによって、日本社会の高齢化問題をクリアすることができると言っています。このためには、現役時代に活躍していた高齢者の様々な能力を十分に活用しようという社会的な機運や施策が必要となっています。一方、子育ての経済的負担から解放され、現役世代に支えられている年金を給付される高齢者は、家族の幸せを願いながら、ゴールデンエイジの老後を楽しむとともに、「やりがい」、「生きがい」、「社会貢献」にチャレンジして、体力、知力、健康を保持しつつ、地域にも目を向け、現役世代が関わりにくい地域問題や地域活性化などに取り組み、コミュニティービジネスを創出していくことが求められているのではないでしょうか。

 企業、団体、公務員を「卒業」した団塊の世代がボランティアも厭わずに社会活動を続けることが、地域社会に活力をもたらす大きな要因となると思われます。1つの提案として、地域において、高齢者を含めた有志により、任意団体、例えば「地域活性化研究会」などのような地域活性化の核となるボランティアグループを数多く作り、地域問題の把握、解決すべき課題の抽出、具体的な解決策の検討、ビジネスモデル等を議論して、地域の活性化、快適化、サービス向上、地域資源の活用等に繋げる持続的なコミュニティービジネス、スモールビジネス等を立ち上げていくことが必要となっているのではないでしょうか。

 また、地域おいては、現役時代にビジネス等で豊富な経験を持つ高齢者人材、専門家等を呼んで(場合によっては、行政からのサポートも得ながら)、国際化というメガトレンドを見据えながら、それぞれの地域において活性化ビジョンを議論し、実行していける力を蓄えていくことが重要となっているのではないでしょうか。(
2011.1.1/MM.記)


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